外資系の会社だとPIPというワードをよくよく聞きますが、これはたびたび誤解されているように感じます。
AmazonはPIP工場と呼ばれるほど新陳代謝が激しい会社ですが、わたしの知る限りでPIPについてお話したいと思います。
まず前提として、50名を超える組織ではURA(UnRegretted Attrition)が6%に設定されます。50名の部署では毎年3人は「解雇しなければならない」と決まっています。
この解雇対象を選ぶために下位10%のパフォーマンスが悪いひとをフォーカスという区分にいれます。フォーカス中の従業員は、dev listというプロジェクトと改善対象の行動リストを渡され、マネージャーに数カ月単位でパフォーマンスを監視されます。
このdev planをこなすことに失敗すると、今度はPIP(Performance Improvement Plan)というものを渡されます。HRがその場に同席し、退職パッケージをもらって直ちに辞めるかPivot計画を一カ月こなすかを選ぶことになります。Pivot計画は大抵の場合こなすのが不可能ですが、こなすこができれば他のチームを選んで移ることができるようになります。
10%のパフォーマンスが悪い社員のうち、約半分が必ず解雇されるわけなんですね。AmazonではURA基準によりどの部署も必ずクビを切らなければならないノルマがあり、そこがPIP工場と呼ばれる所以でもあります。余談ですが、わたしは新卒入社半年でPIPによって消えていったL4を見たことがあります。個人的にはもう少し長い目で見てあげればいいのにと思いましたが、そういう厳しい文化が働きものが多い環境を生み出しています。
ちなみにフォーカス中に退職したりPIPによって解雇されると、Amazonでは二度と雇用してもらえなくなるというオマケがあります。