ポストセールスは、「売って終わり」じゃない!お客様の成功を、共に創り上げる仕事である。つまり顧客の成功に貢献し、自身のキャリアを成長させることができる魅力的なフィールドだ。そんなポストセールスの仕事について、
WorkCircleのユーザー様が全貌を紹介します。
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著者について
所属企業: Big Tech
所属職種: Lead Technical Account Manager
経歴: Big Tech / 大手SIer
外資ITにおけるポストセールスの全貌:職種理解からキャリアパスまで
あなたは「ポストセールス」と聞いてどんなイメージを持つだろうか?
プリセールス(営業組織)とは異なるミッションを持つ点に魅力を感じる方、プリ / ポスト、という分類自体に違和感を感じる方がいるかもしれない。企業によってロール定義やKPI、ミッションに大きな幅があることもこのロールの特徴といえる。
pセールス(営業組織)とは異なるミッションを持つ点に魅力を感じる方、プリ / ポスト、という分類自体に違和感を感じる方がいるかもしれない。企業によってロール定義やKPI、ミッションに大きな幅があることもこのロールの特徴といえる。
ポストセールスは、「売って終わり」じゃない!お客様の成功を、共に創り上げる仕事である。つまり顧客の成功に貢献し、自身のキャリアを成長させることができる魅力的なフィールドだ。
ポストセールスの魅力
- 多様なスキルを身につけ、市場価値の高い人材になれる
- チームで顧客の課題解決に向けて協力することができる
本記事では、いわゆる外資ITにおける、ポストセールスの仕事内容、魅力、評価制度、給与体系、そしてキャリアパスについて解説する。
1. ポストセールスとは?プリセールスとの違い
そもそもプリセールス / ポストセールスとは何か?どちらも顧客との関係性を重視する点では共通しているが、顧客との関わるタイミングと目的が大きく異なると言える。
プリセールスは、製品やサービスの「販売」「新規獲得」に重点を置き、顧客の購買意欲を高めるための活動が中心となる。 一方、ポストセールスは「顧客の成功」に重点を置く。「顧客の成功」とは顧客の持続的な成長を指しており、顧客の事業拡大に向けて自社製品やサービスの活用を促進することが主目的だ。顧客の満足度を高め、持続的かつ拡充した利用を可能にするため、長期的な関係を築くための活動が中心となる。お客様の成功なくしてポストセールスの成功はありえないのだ。
よりお客様の持続的成功(ビジネス拡大)に向けて自社製品やサービスのファンになっていただき、利用拡大に繋がるための支援提供がミッションである。
主な違いと求められるスキル:
ㅤ | プリセールス(契約前) | ポストセールス(販売後) |
主な活動 | 顧客のニーズをヒアリングし、課題を特定
製品やサービスのデモンストレーションやプレゼンテーション
技術的な質問への回答や、導入に関するコンサルティング
見積もりや提案書を作成 | 製品やサービスの導入支援
技術的な問題解決や、操作方法のサポート
顧客からのフィードバック収集や、顧客満足度調査
顧客向けのトレーニングやセミナーの実施
継続的なコミュニケーションを通じて、顧客との信頼関係を築く |
求められるスキル | 製品知識、技術的な専門知識
プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力 | 製品知識、技術的なサポートスキル
コミュニケーション能力、問題解決能力
顧客との長期的な関係を構築する能力
[*] 詳細は文末の職種内容・求められるスキルを参考に |
2. ポストセールスの主な職種
ここでは、典型的なポストセールスのロールの定義と代表的なKPIについて説明する。ただし、企業によってロール定義やKPI、ミッションには幅があるため、あくまで一例として参考にしてほしい。
下表のロールの掲載順は、案件のライフサイクルにおいて初期段階に登場するロールほど先に、また顧客やマーケットと近いロールから順に記載する。
ロール名 | ロール概要 | 主とするKPI / 評価指標 |
カスタマーサクセス
CSM (Customer Success Manager) | 企業によってKPIやミッションに幅がある。ポストセールスとして契約後にアップセル・クロスセルをミッションとして売上を背負う事もあれば、顧客の製品利用度を向上させて、チャーン (顧客の離脱・解約)を防ぐことに重きが置かれていることもある。本質的なミッションはクラウドやコンサンプションビジネスは、継続率が重要な経営指標となるためそれらを向上させて更には売上を向上させることである。
一般に顧客獲得コストは顧客維持コストの数倍かかると言われており、チャーンした顧客からのネガティヴな声はマーケットに残るため、当然ではあるが販売後の顧客満足度は非常に重要である。 | • 継続率(継続利用率、契約更新率)
• 顧客満足度(CSAT)
• NPS(ネット・プロモーター・スコア) |
コンサルティング (Technical Consultant, Professional Services Consultant, Solution Architect*) / 導入エンジニア (Implementation Engineer)
*Solution Architectはプリセールスが一般的だが、企業によってはポストセールスである場合もあり、内容を十分に確認することが大切 | 顧客が新しい製品やサービスをスムーズに利用開始できるよう、技術的な専門知識と顧客対応スキルを駆使して、導入プロセス全体を包括的に支援する役割を担います。特にITに強い専門性を持つエンジニアが必要な領域である。
具体的には、顧客のビジネス要件や技術環境を詳細にヒアリングし、最適な導入計画を策定します。システム設定、構成、カスタマイズを行い、顧客環境への円滑な統合を実現します。導入テストと検証を通じてシステムの安定性を確保し、顧客への操作トレーニングや技術指導を通じて、製品やサービスの早期活用を促進します。また、導入後の技術サポートを提供し、顧客が継続的に製品やサービスを最大限に活用できるよう支援します。
会社によってはコンサルティングサービスを専門に販売するスペシャリスト(Engagement Manager, Pursuit Leadなど) も存在する。 | • 顧客満足度(CSAT)
• 提供物に対するCSATもあれば、サービス全体に対するCSATとすることもある
導入エンジニアの場合、以下を含むことがある
• 導入完了までの時間
• 導入成功率
• 導入後のシステム稼働率
• トレーニング後の顧客の理解度 |
テクニカルサポート/
カスタマーサポート | 購入後の製品に対する技術や支払いに関するサポートを担う。CSMと同じくこの品質によって解約率(チャーンレート)などは大きく変わる。主に電話やメール、チャットによって顧客からの質問に答え、問題解決をはかることがミッションである。 | • 対応時間
• 解決率
• 顧客満足度 |
TAM (Technical Account Manager) | ロール定義は企業によって幅があるが、有償・無償で顧客を担当し、ポストセールスにて顧客の製品導入を支援する。CSMとのミッションと被る領域も多い。また企業によってはテクニカルサポートの部署に所属することもあれば、コンサルティングに近い業務をすることも。なので特定のプロジェクトのデリバリーを担当することもあれば、顧客にとってのプロジェクトマネジメントとして入るようなこともある。
ポストセールスフェーズでの製品情報アップデートは、アカウント営業とCSM、TAMでそれぞれがミッションとして持つことも多く、分担の境界線は企業やプロジェクトによってバラバラなことが多い。 | • 顧客満足度(CSAT)
• 提供物に対するCSATもあれば、TAMサービス全体に対するCSATとすることもある
• テクニカルサポートのように問い合わせ対応をケース管理しているケースもある
• TAMサービスを単体で販売している場合は売上や稼働率など |
3. ポストセールスに求められるスキル
取り扱う商材や業界などによって必要とされるスキルセットや経験は当然異なるが、全てのポストセールス職に共通して求められるスキルもある。
これらの領域全てに精通するのは不可能だが、自分が経験したことのある業界やスキルなどを照らし合わせて考えていただくと良いだろう。これは転職時に特に注意すべき事項であるが、社内の異動で広く経験しておくことで転職時のチャレンジリスクを最小限にすることができる。
必要な共通スキル
- 英語: 最低限の英語力は必要。しかし必要なレベルは「企業の成長ステージ」によって大きく変わる。グローバルスタートアップの日本拠点では本社との連携が密なため高いレベル(読み書き、複数人での調整)が求められる一方、成熟した大企業の日本法人では読み書き(翻訳ツール利用可)で十分な場合もある。企業がどのステージにあるかによって必要な英語レベルをイメージすることが重要だ。
- 外資系企業の組織論や文化: 欧米系のビッグテックなどを念頭に置くと、その組織論や企業カルチャーの理解は昇進に不可欠だ。トップダウンのカルチャーやポリティクス(社内政治)が存在する。上司の権限は強く、日本法人は販売戦略上の一拠点という側面もある。こうした構造を理解し、社内政治を見極めて振る舞うことは日本企業以上に重要となる。
- コミュニケーションスキル・ステークホルダーマネジメント: あらゆるロールで必要とされるソフトスキル。
- 社内関係者: 営業、プリセールス、マーケティング、サポート、開発など、関係者のKPI(評価指標)を理解し、協力することで良いアウトプットに繋がる。
- 社外関係者: 顧客担当者のKPIや利害関係を把握することが重要。同じ顧客企業内でも立場によって利害は異なる。パートナー企業との連携も含まれる。
- 業界知識: 必須ではないこともあるが、業界特化型ソリューションである人材募集の場合は重要になる。
- 製品知識: 最も重要だが、技術進歩が速いため、特定の知識よりも新しい製品や技術にキャッチアップできる」能力が重視される。ベンダー資格の取得も有効。
- 技術知識: 顧客の現状や課題を理解し、技術的な課題を解決するソリューション提案スキルが必要。社内トレーニングや有識者との連携、日々の情報収集が重要。
4. 評価制度と給与体系
ポストセールスの仕事はどのように評価され、報酬に結びつくのだろうか。
評価制度:顧客の成功が評価の鍵
評価制度は会社によって異なるが、基本は目標達成度合いに応じた段階評価で、高い評価は報酬や昇進に繋がる。多くの企業ではKPI(重要業績評価指標)やOKR(目標と主要な結果)を設定しており、ポストセールスでは特に以下の点が重要視される。
- 顧客満足度(CSAT, CS): アンケートやNPS(ネットプロモータースコア)などで測定。集計方法や頻度の確認が重要。
- 契約維持率(リテンションレート): 顧客との長期的な関係構築が評価される。
- アップセル・クロスセル: 顧客ニーズを捉えた提案力が評価される。(KPIに含まれるかは要確認)
- ビジネスへの貢献度: 売上インパクトの大きい案件などは高く評価される傾向がある。
また、ユーザコミュニティ運営、イベント登壇、ブログ執筆などの外部への情報発信や、組織貢献も評価対象となる場合がある。これらがKPIに含まれるか、ボランティアベースなのかは事前に確認が必要だ。
プロモーション:次のステージへ
プロモーション(昇進)の基準も会社によって異なるが、一般的には「次のレベルの仕事を既に遂行できているか」が重視される。実績をまとめたドキュメント作成や、周囲からの推薦コメント(エンドースメント)が求められることが多い。日頃から実績をまとめ、マネージャーと連携し計画的に準備を進めることが重要だ。
最近では、社内で別のロールへ変更する際にプロモーション(職位レベル変更)を伴う制度もある。企業によって制度や時期、難易度は異なるため、どのような選択肢があるか確認すると良い。
ポストセールの給与体系:報酬の内訳と企業間差異
給与体系は企業や職種によって大きく異なる。
- 報酬の内訳: 一般的には以下の組み合わせ。
- ベース給与: 基本となる固定給。
- 売上/業績連動賞与: 個人の業績や会社の業績に応じて支給される賞与。
- RSU(譲渡制限付き株式ユニット): 自社株付与。中長期的な貢献への期待。
- 職種による違い: ベース給与と賞与の割合が異なる。例えばCSMでも売上目標を持つ場合は賞与割合が高くなる傾向がある。
- 給与アップの仕組み: ベース給与や賞与は年次評価で昇給。特に高い業績者には追加のRSUが付与されることも。
- 賞与の条件: 会社ごとに大きく異なる(日本全体、チーム、個人売上など)。オファー前に採用担当者に詳細を確認することが必須。
- 高い給与水準: 高度な専門性とスキルが求められるため、IT業界の中でも高い年収が期待できる。OTE(ベース給与+賞与)ベースで平均800〜1200万円程度、シニアロールでは1500万円以上の場合もある。経験不問職はやや低く、専門性が高いと水準が上がる傾向がある。
給与体系の確認ポイント:
これらのポイントを事前に確認し、納得のいく給与体系を選ぶことが重要だ。
5. 多様なキャリアパス:ポストセールスで描く未来
ポストセールスは、多岐にわたるキャリアパスが開かれた職種である。顧客との深い関係性を基盤とし、専門性を磨くことで、様々なキャリアの可能性を追求できる。
キャリアアップの種類・方法
- マネジメントへの道: チームを率い、組織全体の顧客成功を牽引する。リーダーシップを発揮したい人向け。メンバー育成、戦略立案、組織運営など、より広範な視野で貢献できる。(※会社によっては同職位レベルでのロールチェンジ扱いの場合も)
- 担当社員 / インディビジュアルコントリビューター(IC)としての道: 顧客との最前線で専門性を深め、卓越した顧客体験を提供する。特定の顧客層や技術領域に特化し、エキスパートとして活躍したい人向け。市場価値の高い人材となれる。
- スペシャリストへの道: 特定のソリューションやプロダクトを極める。技術的な専門性を追求したい人向け。高度な専門知識で複雑な課題を解決し、組織全体の技術力を向上させる。
- 関連職種へのキャリアチェンジ: 培った顧客理解やコミュニケーション能力は他の職種でも活きる。
- プリセールスへ: 顧客課題を深く理解し、最適な提案ができる強みとなる。
- ポストセールス内の別ロールへ: TAM => Technical Consultant、Technical Consultant => Support Engineerなど、キャリアの幅を広げる。
- お客様企業・パートナー企業へのキャリアチェンジ: 顧客との信頼関係や業界知識を活かし、顧客側の視点で貢献できる人材として活躍できる。
- 逆も然り: サービスの構築・運用経験者が、サービス提供側のポストセールスとして活躍することも期待できる。
自身の強みや興味、キャリア目標に合わせて、最適なキャリアパスを選択することが重要である。
6. 未経験からの挑戦
ポストセールスに興味があっても、「顧客を担当したことがない」と躊躇する方もいるかもしれない。しかし、例えば国内企業で社内システムの開発・運用部門にいた経験は、社内の他部署を「顧客」としてデリバリーした経験と読み替えることもできる。経験を大きな意味で捉え、ぜひチャレンジしていただきたい。
まとめ
ポストセールスは、顧客との長期的な関係構築と顧客満足度の向上を通じて、企業の持続的な成長に貢献する重要な役割を担っている。それは同時に、顧客の成功を支援することで、自身の成長にも繋がる魅力的な仕事でもある。
それぞれの職種で、お客様との関わり方や貢献できることが異なるため、あなたの強みや個性を活かせる職種を一度探してみてはいかがだろうか。本記事が、あなたのキャリア選択肢を増やす一助となれば幸いである。
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